ルーキーイヤーの1986年は、3試合にに登板し1勝1敗、防御率3.46と、プロで初勝利を飾るなど園川らしくない無難なプロのスタートであった。翌1987年には、初めて規定投球回数に達するなどそれなりに活躍。8勝9敗、防御率3.55と、負け越すものの安定した成績を残す。このシーズンでは13失点しながらも完投させられるとう試練を味合うも、本人はまったく気にする様子もなし。

　1988年、この年は園川にとってプロ前半期において最も輝いたシーズンであったかもしれない。プロ入り初となる2桁勝利を挙げたシーズンであるからだ。（ただし15敗）ただ、このことをインタビューでたずねられた時、「これだけ投げれば嫌でも２ケタ行くよ。」と場を凍りつかせたのは園川らしい。

　そして、今では伝説ともなっている10．19のロッテｖｓ近鉄のダブルヘッダー。近鉄が連勝すれば優勝となる試合で、第二試合に登板。西武の選手以外は全て近鉄を応援していたとも言われる異様な雰囲気で行われた試合。その日出番がなかったロッテの選手ですら、あの時は心情的に近鉄を応援していたと回顧するほどに。

　その試合を、園川はこう感想を述べている「“ザマアミロ”って感じがありましたね。勝っても負けても どうせ“憎まれ役 ”だってことは解ってましたから。」ホームである川崎球場で投げながら敵地での試合であるかのような雰囲気のなかで、自分への歓声と思いながら投げたそうだ。

　ちなみに、その試合の園川のピッチングを敵将の仰木監督はこう評している。「あの年の園川はそれほど出来は良くなかった。ただあの試合に限って見違えるようないいピッチングをしていた。」

　・・・あの年の園川はどうみてもいつもと同じ園川でした。ただ年に一度がスーパー園川になるので勘違いしてしまうのかもしれません。 この年の成績、10勝15敗、防御率4.34。リーグ最多敗戦に輝く。　

　1989年、7勝12敗と実に園川らしい成績を収める。特筆すべきは防御率6.10という数字、最悪防御率賞に輝く。以後両リーグとも 規定投球に達した投手で6点台はいないという、ある意味において偉大なる記録を打ち立てた。

　辛抱して投げさせた首脳陣が偉いのか、他に投げさせるピッチャーがいなかったのか。ちなみにこの年、ロッテの大エース村田兆治が、防御率2．50で最優秀防御率賞に輝いています。一応、園川も左のエースとは呼ばれてはいたのですが。

　1990年、嵐を呼ぶ伝説の400勝投手、金田監督就任。園川が登板した西武戦で、伊原三塁コーチャーの怪しい動きにより、うっかりボークを取られる。この時に、園川のアイコンタクトを受けた金田監督はよっしゃ俺の出番とばかりに大暴れ。金田監督が高木主審をボコボコにし、退場処分。これに対し、審判も怒ってこんなんやってられんと辞職。 この年の成績、2勝6敗、防御率5.20。

　1991年、血の気の多い近鉄のトレーバーに、うっかり死球を当ててしまう。これに怒ったトレーバーは園川に突進。園川は金田監督にアイコンタクト。トレーバーは退場を命じられて一度は帰りかけたものの、何を思ったのか再び突進。 しかし足をもつれさせて転び、そこを金田監督に顔面を蹴られる。 なぜか、退場になったのは トレーバーただ1人 。この年の成績、 5勝11敗、防御率3.78。2年ぶりの2桁敗戦、敗戦数が勝利数の2倍以上と、園川らしさをみせる。

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　　　　　　　　 　 -=| |=‐　　|.| 　 |.|　o o o　　　　ひどい……！
　　　　 / 　 　 　 i7 |.| 「/ 　 L===」　　　　　　　　ひどすぎるっ……！
　　　　〈　　　　　 　 ﾞ'　　　　　　　　　　　　　　こんな話があるかっ……！
　　　 ／　　　　　 ､ｰ--‐へ､　（⌒＼　　　　　　第一戦目を勝って………
.　　, '　　　 　 l`i‐r-ゝ　 v 　 ＼＼､ヾ;　 ヽーｧ─　　やっとの思いで…
　 /イ　　　 :ﾄ､!│|　!　,　ij 　 u　＼ヽﾘ　　 ∨　　　　辿り着いたのに……
　　│,ｲ　　 | u　| | l∠ﾆ　　u　　　 ト､ 　 　 ヽ　　/　　やり遂げたのに……
　　 l/ | ,ｲ　|─ｧつ_ ~U~ u/;⌒i　　 |:: ＼　　 ヽ　/
　　　　ﾚ　W　f／ ノ　,.-　// ./ j　v |:: u ＼　　V　　　よりによって園川っ……！
　　　　　　 　 { ／つ　ｨ .// / 　 u　 |::v　/ヽ.　 i　　園川がもぎ取ってしまった
　　　　　　　　l ／つ/ ﾚ'　 〈__,.ﾍ　　 |￣7　 ヽ　|　　………！
　　　　　　　　ヽ ﾍ'v　ｰ-､　ﾉ　　ヽ　 |　/　 　 W　　せっかく手にした
　　　　　　　　　 ＼　ij　０　ヽ.　　 `ｰ'　| r‐¬ |　　　近鉄の未来…　希望…
　　　　　　　　　　　＼　ノ　O ＼　　　　|_!o ol_|　　　　優勝をっ……！